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【体験ルポ!!】ブルベ初挑戦 & 200kmを走ってみました!!
-目次- |
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こんにちは!京都市下京区、市営地下鉄・五条駅近くの自転車店「サイクルショップエイリン五条東洞院店」です!当店では普段使いの自転車からスポーツバイク、電動アシスト自転車、キッズバイクまで、様々なタイプの自転車を提案・販売しています。
さて今回は、当店スタッフ SERIGUCHIがロングライドイベント・ブルベ200kmに初挑戦した模様をご紹介させてもらいます。齢50のオジサンが挑んだ200km企画。ブルベとは何なのか、なぜ200kmも走るのか、そのために必要なことは何なのか、そして実際に走ってみた感想は…などなどを盛り込んだ顛末記。ブルベだけでなく、ツーリングやロングライドにご興味がある方にも参考になると思います!
スタッフSは本格的にロードバイクに乗り始めて5~6年。これまでファンライドイベントで100km程度を走って経験はありましたが、これといって毎日特別にフィジカルトレーニングを積んでいるわけではありません。ラーメンが大好きだし、休みの日は家族サービスもあり、時折自転車で走りに出る程度…。そんなアスリートではない、自転車好きの普通のオジサンが200kmを走るとどうなるのか、という実験的な企画でもあります。
ところで皆さん、「ブルベ」って聞いたことはありますか?ブルベ(BREVET)は欧州では人気の自転車スポーツの1つ。日本でも各地で開催されており、近年注目度が高まっていますね。競技志向のロングライドと言えます。ただし他人とスピードを競うわけではなく、あくまでも自分のペースで走る耐久レース。200~1000kmの距離が一般的で、規定時間内に規定ルート(公道)を完走すると認定証がもらえます。ルールは世界共通。200kmなら規定時間は13時間30分。統括本部組織はフランスにあります。これから日本でもさらにメジャーになってくるかもしれませんね。
\ブルベ200kmチャレンジ動画はYouTubeで公開中/
【https://www.youtube.com/channel/UCWPGuTd4e6BdN7ZQ-YoMJlg】
ROAD TO ブルベ! やるしかないっす!
京都市内。某日某所。とある自転車ショップの事務所にて。その指令は下されました。
👹鬼のO部長「Sさん、今度うちのYouTube企画でブルベ走ってみてね」。
👨スタッフS「え?私が?ほかに元気な若いスタッフもたくさんおりますぜ。なぜゆえに?」。
👹鬼のO部長「いい年のオジサンが汗ブリブリかいて悶絶しながらブルベを走る姿。面白いよぉ。じゃ、決定ね。頑張ってね!」。
👨スタッフS「…あ、え(この人、Sに違いない!)。おー。走るのか…。もうこうなったらヤケクソだ。やるしかない!」。
ということで、ブルベ参戦が現実になった日でした。
当初は本番が9月中旬。本番に向けてさすがに何もせずゴロゴロしているのは良心の呵責が…。いちおう近所の峠を走ったり、物置に眠っていた3本ローラーを引っ張り出して少しばかり練習したりと、少しずつ準備に着手しました。
近所の峠で朝練。ブルベは最短でも200km。獲得標高は2000mを超えることが多く、峠のアップダウンは避けられません。ある程度ヒルクライムのトレーニングはしておく方が良いです。
朝練の一コマ、休憩中。「お前は本当に出し切ったのか?やり切ったのか?これでブルベを完走できるのか?」と自問自答(というのは大げさです。そんなシリアスにならなくていいです)気持ちよく汗をかいて楽しもう。
3本ローラーで自主トレーニング。ちょっと漕いだら心拍バクバク。「お前はやり切ったのか?」と己に問う。「いえ、しんどいので程々に」という心の声…。無理しなくていいのです。自転車を楽しむことが第一!
不安だらけの初挑戦、しかも200km!?
10月末、某日。本番です。当初は9月だったんですが、コロナの緊急事態宣言を受けて延期となりました。今回はオダックス近畿(主催者)さんのBRM200シリーズにエントリー。神戸市内の公園・コンビニエンスストアを出発し、姫路方面、加西北部へ。そこから北上し丹波篠山方面へ回り込み、三田、宝塚エリアを経由して元の公園に戻ってくるワンウェイルートでした。兵庫県中南部をぐるっと一周という感じですね。
午前4時に京都を出発し、高速道路を走って神戸方面へ。道中、アシスタント・撮影係の今出川京大前店・別館のスタッフOKUDA君とブルベのルールや今回のコース、段取りなどを確認。なぜか会話が脱線し、仕事のことやプライベートのことなど、よもやま話も…。ちなみにスタッフOはブルベ400kmを走る変態です。
無事に会場入り。自転車を降ろして装備チェック、サイクルウェアに着替えなど。朝6時頃で気温は13度くらい。夏用のジャージも持参しましたが最終春秋ジャージで決定。その上からウィンドブレーカーを1枚羽織って。初めてのブルベ挑戦なので不安だらけ。誰もが何でも「最初は初心者」ですよね。
車体チェック。ブルベでは「長距離走行に適した自転車」ということで、具体的な車種規定はありません。中にはクロスバイクやオフロード系で参加する強者もいるらしいです。フロントとリアのライトは必須。そして常時点灯(点滅はダメです!)で。なので、予備を持参しました。夜間も走りますしね。
スタッフSの参戦バイク。タイヤはパナレーサー系の25Cをチョイス。200km(ワンデイライド)の場合、サドルバッグ+αくらいでOK。5~10リットル容量で十分かなと。雨具、携帯工具。パンク対応キット、補給食、ファーストエイドキットは必須。基本装備は、これまで経験したロングライドと共通ですね。GPSサイコンは義務ではないですが、絶対ある方が良いです。
スタッフOの参戦バイク。300-400kmクラス(仮眠も必要)になるとこのくらいの大きさのバッグになるらしい。最低20~30リットル容量になってきます。フロントバッグ上面は透明フィルムになっていて、ここに地図(ブルベ規定のルート情報・指示書=キューシート/コマ図)を入れている人が多い。安全・見やすさ優先ですね。最新のGPSサイコンならナビ情報を入力できるので一番便利で安心ですね。いいなぁ~私も最新が欲しい~。
いよいよスタート、だけど1人なんです…
今回は、ブルベ出走の開始時刻は午前7:00。200kmの規定時間は13時間30分。夜8:30までにゴールしなさい、というルールです。途中5か所の通過チェック・確認ポイントがあり、それぞれ足切り(制限時間)が設けられているので、のんびりはできません。けっこうシビアな戦いになりそうです。脚力には自信がありません!
朝焼けが気持ちいい!清々しい気持ちと、これから200km、13時間の戦いを前にした不安と、期待と、色々な感情が交錯しながら…
出発地点のコンビニエンスストアで早めの朝食。しっかりエネルギーを補給しておきましょう。長丁場の戦いなので朝ごはんはとても大切です。スタッフSは炭水化物を中心に摂取。パスタは消化・糖質・エネルギーの面でおススメです。
ここがスタート/ゴール地点のコンビニエンスストア。出走時やゴール時点で何かを買って、購入レシートが必要になります。いつ、どこで、という証明書ですね。完走報告で必要になるので汚したり濡らしたりしないようにしましょう。スタッフSは防水サイフに入れていました。
朝早いし、気温は低めだし、体が硬いし、オジサンだし、しっかりストレッチ、準備体操もしておきましょう。お尻、太もも、ふくらはぎもしっかり伸ばして…。
いよいよ出走スタート!といっても、1人です(+カメラマンのスタッフO君)。今回コロナの関係で、同日一斉スタートではなく、「ニューノーマル方式」を採用。出走者が希望日を決めて出走する方式です。候補日程が10日程に分かれているので皆バラバラ。スタッフSは平日だったので他の参加者もなく、少し寂しい感じでした。自己申告&レシート証明による管理方式ですね。
景色サイコー!!「余裕じゃねっ?」と勘違い
さて走り始めて前半戦。100km程度までは過去に何度も走った経験があり、不安もなく。楽しむぞ~!という感じです。前日は雨でしたが、当日は天気も回復し、ほぼ青空。市街地を抜け出し、郊外の自然豊かな田園地帯を疾走します。昼間の気温は20度を超える陽気。春秋ジャージだと暑いくらいでした。10月くらいの気候は温度調節がとても難しいです。
市街地走行は気を使います…信号でひっかかることも多い。ストレスフルな状態になりますが、焦らず、セーフライド。Fライトは点灯+点滅=デイライト/フラッシュが安全かも。
今回伴走してくれたカメラ担当・スタッフO君。日頃からブルベ300-400kmを走破する「変態」です。回りにブルベ経験者がいたらルールとか注意点とか教えてもらいましょう。ちなみにこの派手なイエローの上着は反射ベスト。安全第一、ブルベ走行では着用が義務になっています。
この写真だと分かりやすいです。フロントバッグの上面に走行ルート・地図(キューシート・コマ図)を挟み込んでいます。ハンドルを握ったまま目線だけ動かし、確認しやすく。GPSサイコンと組み合わせるとより確実に行き先がチェックできます。
通過チェックポイントのコンビニエンスストアに立ち寄り。なんとか制限時間10分前に到着。この時はまだ体力的に余力がありました。首や背中が張って痛みがあるものの、ロングライドではお馴染みの痛み。気にするほどのレベルではありません。しかし…この後、徐々に疲弊モードに…。地獄が待っていることも知らずに。
悪魔が待ち受ける山岳エリア、削られる足
100kmを走り終えて中盤戦。いよいよ自らの過去最長記録120kmを超える未体験ゾーンに突入です。兵庫県下でも山間部の多い、丹波篠山エリアを激走。走っても走っても山、山、峠、峠。元々スタッフSは坂が大嫌いです。貧脚だし、心拍も強くないし、めちゃくちゃ軽い決戦用ロードバイクでもないし…。先行するスタッフO君の姿が見えなくなり、凹みます。
今回は斜度15%を超える激坂はありませんでしたが、7-10%前後の坂がひたすら続く、中途半端に苦しいスパイラル。生殺しモードです。前方のつづら折りワインディングロードを見ると、出るのはため息ばかり…。
この頃になると、景色を楽しむ余裕はありません。延々と続く上り坂に、足が削られます。ケイデンスは60を下回り、ヨタヨタ。だんだんと膝回りやお尻も痛くなってきました。太もも、もも裏、膝、お尻が同時に痛くなるのは初めての経験。体が悲鳴を上げ始めています。
途中でいったん小休止。正直少しなめていました、200km。スタッフSの表情も曇りはじめています。体をほぐして再出発。足切りがあるのであまりゆっくりできません。体力も、そして時間も気にして…キツイです。
最後の通過チェックポイントに到着。残り40-50kmくらいまで来ました。スタッフO君の記念撮影の声にも応える余裕がありません。よく分からない行動のスタッフS。壊れかけのレイディオ…。
山岳エリアで出来る限りペースを上げたので、足切り20分前に到着。ラストスパートに向けてエネルギー補給。生まれて初めてエナジードリンクを飲みました。左手に持っているのが購入レシート。これがチェック証明書になります。疲れているので、目に余裕がありません。
日没、気温低下、疲労限界、阿鼻叫喚…地獄
走り始めて10時間以上が経過。これだけ長く走ったのは初めてでした。走行距離は160km超あたり。日が傾き始めて周囲はだんだんと夕闇の世界に。気温も下がり始めてきました。体力も限界に近づいています。よく考えると、ふくらはぎ以外の全身部位が全て痛い。太ももの筋肉も攣りかけています(経験者の方なら分かるはず、「あ、やばい、これ以上漕ぐと来る!という違和感」)。
日没が迫ってきています。田園と里山に夕焼けが射し込み、とても綺麗でした。う~んノスタルジー!日本の原風景を前に、景色を楽しむ余裕がありません。
日が暮れて急に気温も下がってきました。気温は15度くらいまで下がってきます。すかさずウィンドブレーカーを羽織りました。フルフィンガーの手袋も必要でした。指先が冷えるとブレーキ操作にも支障が出て安全に関わりますからね。
1つ目のリアライトの充電池が切れたので、予備のリアライト(電池式)を点灯。ブルベ経験者が言うには、色々なケースを想定し、電池式を使う人も多いとか。コンビニエンスストアでもすぐに購入できますしね。
完全に夜間走行になりました。見通しが悪い、体が寒い、太ももはパンパン、疲労も限界、夕刻の帰宅ラッシュで車の交通量も増える…などなど悪い条件が増えていきます。疲れで判断力も落ちてくるので要注意。
ラスト10kmでもまだアップダウンの区間が続いたりします。「あぁ~!!」。もう叫びたくなります。ダンシングをする元気もありません。とにかく早くゴールしたい。最後まで足が攣らないことを祈る。ただそれだけ…。
残り数kmまで来ました。ゴールは目前です。いったん休止して、残りの距離と時間を逆算。何とか制限時間内にゴールできそうです!不思議なもので、ゴールが現実になってくると、「あぁ。この長旅も終わってしまうのか。ちょっと寂しいなぁ」という旅愁の気持ちも…。これだけ苦しく痛い思いをしているのに…。
フィナーレ、旅の終わり…
そして、ついにゴール地点に到着!205kmを完走しました。時間は夜の8時16分。朝7時に出発したので、走行時間は13時間16分。ブルベ200kmの制限時間は13時間30分なので、わずか足切り14分を残して無事にゴール。ほんとクタクタ、ヒヤヒヤの1日でした。すぐにコンビニエンスストアで飲み物を買ってレシートをゲット。全てを出し切った戦いでした。
体はボロボロ、しゃがむこともできないほど太ももも膝も痛くて、苦しくて…。でもなぜか不思議な高揚感に包まれた瞬間。充足感に満たされた一コマですね。200km走ると、そこに何か見えてくる…?それは走った人だけが見る景色です。是非、体験してみてください。
今回走ったルートです。このエリア、距離を人間の力だけで走ります。ブルベは最短でも200km。変態の世界です。でも変態にしか見えない何かがあります。さ、貴方も変態の仲間入りをしましょう。
◆サイクルショップエイリンの「バイシクルローン分割サービス」◆
●総額30,000円以上、月々支払3,000円~ご利用いただけます。インターネットからのお申込みもOK!詳しくはお問い合わせください。
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