本格的にシーズンに入り、シクロクロスネタが多い昨今ですが、

ロードバイクも忘れてはいけません。

 

TYRELL RX　フレームセット 510mm　＠195,300-

”走る”ミニベロで実績ある日本ブランド、タイレルが作った700cスチールロードフレーム。

モダンなセミスローピングスタイルのフレームです。

使用されるパイプはcolumbus　LIFE＆columbus　MINIMAX

共にニオビウム剛を採用したトップラインのモデルです。

※ニオビウム剛とは※

ニオブ、マンガン、クロム、ニッケル、モリブデン、が含まれた６元合金。

引っ張り強度はニバクロム剛（これまた充分にハイスペックな部材）の1.2倍のレーシングパイプです。

少し話が逸れますが、MINIMAXは昔からスチールが好きな方には懐かしい名パイプですね。（当時はニバクロム剛でした）2010年頃？に復活していたようです。

共にトリプルバテッドですが、

LIFE：0.65-0.4-0.65（mm）

MINIMAX：0.8-0.5-0.8（mm）

とMINIMAXが僅かに肉厚（それでもトップクラスに薄いですね。）

なので、剛性の必要な部分にはMINIMAX、軽量性を求める部分はLIFE

と使い分けられています。

通常のクロモリフレームと違い、非円形断面＆大径化により、剛性を確保してあります。

ミニマムデザインなアウター受けも◎

滑らかな曲線のインテグラルヘッド。

この辺りもヘッド剛性に大きく貢献してくれています。

個人的にスチールのインテグラルはルックスを含め大好きです。

そこに合わせるのはENVE　ROAD FORK 2.0

コラム～エンドまでフルカーボン。

軽量性もさることながら。剛性には圧倒的に定評あるENVEですので、

曲がる、進む、に大きく貢献してくれます。

ENVEのフォーク純正色は黒。

ですが、コチラは赤。裏側にTYRELLロゴまで忍ばせてあります。

そして全体にやたらと艶のある塗装だな～と思いきや。左チェーンステー裏を見ると、

発色と高強度で定評あるカドワキコーティング。

コレだけでも価値がありますね～

右チェーンステー裏にはcolumbusロゴ。

 

個人的に気になったシートの造形。

シートクランプっぽいですが、一体成型です。

全体にTIG溶接でシンプルにまとめられていますが、リアエンドのみラグ。

ストレートドロップエンドなので、まずホイールがずれることはありませんが、

滑り止めにスリットが刻んである丁寧な仕事ぶり。

シートチューブ裏には長ーい矢印のグラフィック。

その先には「Hand made inさぬき」

TYRELLは香川県の会社なのですが、実はこのフレーム、全て香川の自社工場でビルディング。

日本人らしい、精度の高さやちょっと気の利いた工作等、丁寧さが垣間見られます。

リアバックは色気を持たせたベンドステー。

TYRELLの担当者の方曰く、

「ベンドは振動吸収云々ではなく、ルックスの良さの為!!」とのことでした。

この辺りの融通が利くのもスチールの面白いところですね。

フレーム実測（510mm）：1700g　フォーク実測：380g（コラム350mm）

と、”レーシングクロモリ”と呼ぶにふさわしい内容です。

実際、同ジオメトリでREYNOLDS　853パイプを使用したRX　PROを某実業団に供給し、比叡山ヒルクライムで入賞していたりもします。

スチールでヒルクライム。というのも良いですね。

試乗車を乗らせていただいたことがありますが、乗り味が硬い印象は全くなく、

むしろ積極的にしならせて走るフレームなので、ツーリングバイクの其れとはまた違う、スチールの旨みもアリ。

そしてなんと!!アップチャージでカラーオーダーまで出来てしまいます。

「スチールレーシングフレームをカラーオーダーでHand made in　JAPAN.」

非常にニッチ感溢れる響きですが、実はココを求めてる人って少なくないですよね。

ダウンチューブ裏にもグラフィックが。これもまたレーシング。
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